
高度専門職についてご案内いたします。
日本では、優秀な外国人の受け入れを促進するために高度人材ポイント制を導入して、優遇措置を設けています。
ポイントの合計が70点以上で「高度専門職」の在留資格が与えられます。
ポイントの合計が80点以上では、1年後に永住許可申請が可能になります。
⇒ポイント評価の仕組みは?(出入国在留管理庁)
現在、他の在留資格で在留されている方も、要件を満たせば在留資格変更許可申請が可能です。
例えば、現在「経営・管理」の在留資格で、代表取締役で、年収が3,000万円以上で大卒の方は、あっという間に70点になります。
高度専門職は1号からスタートします。
1号の在留期間は一律5年です。
高度専門職1号として3年間在留したら、高度専門職2号へ変更許可申請が可能です。
2号の在留期間は無期限です。
<考えられる将来の申請パターンの例>
高度専門職1号からスタートして
①5年後 高度専門職1号で在留期間更新(5年後ポイント70点以上)
②3~5年後 高度専門職2号へ在留資格変更(申請時ポイント70点以上)
③3年後 永住許可申請(ポイント70点以上80点未満の方)
④1年後 永住許可申請(ポイント80点以上の方)
⑤5年後 他の在留資格への変更(5年後のポイントが70点未満の方)
【高度専門職1号】
※高度専門職1号ロ、ハは、年収300万円以上であることが必要です。
【高度専門職2号】
【優遇措置】
「高度専門職1号」の場合
1. 複合的な在留活動の許容
2. 在留期間は一律5年
3. 在留歴に係る永住許可要件の緩和(ポイントの合計が70点以上では3年で、80点以上になれば、1年で永住許可申請が可能です。)
4. 配偶者の就労
5. 一定の条件の下での親の帯同
6. 一定の条件の下での家事使用人の帯同
7. 入国・在留手続の優先処理(入国事前審査に係る申請については申請受理から10日以内を目途に、在留審査に係る申請については申請受理から5日以内を目途に、優先的に早期処理が行われるよう、努めているそうです。)
<入国・在留手続の優先処理の対象外>
・「高度専門職1号イ」ポイント表のイ(4)
・「高度専門職1号ロ」ポイント表のニに基づくもの
⇒出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令 でその内容が確認できます。
・高度専門職2号に係る申請の標準処理期間については2か月以内
「高度専門職2号」の場合
a. 「高度専門職1号」の活動と併せてほぼ全ての就労資格の活動を行うことができます。
b. 在留期間は無期限
c. 上記3から6までの優遇措置が受けられます。
※「高度専門職2号」は「高度専門職1号」で3年以上活動を行っていた方が対象になります。
【帯同する配偶者・子・親・家事使用人の在留資格】
<親の帯同の要件>
(1)高度外国人材の世帯年収※が800万円以上であること
※高度外国人材本人とその配偶者の年収を合算したものをいいます。
(2)高度外国人材と同居すること
(3)高度外国人材又はその配偶者のどちらかの親に限ること
<家事使用人を雇用する要件>
(1) 外国で雇用していた家事使用人を引き続き雇用する場合の条件(入国帯同型)
・高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上あること
・帯同できる家事使用人は1名まで
・家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
・高度外国人材と共に本邦へ入国する場合は,帯同する家事使用人が本邦入国前に1年以上当該高度外国人材に雇用されていた者であること
・高度外国人材が先に本邦に入国する場合は,帯同する家事使用人が本邦入国前に1年以上当該高度外国人材に雇用され,かつ,当該高度外国人材が本邦へ入国後,引き続き当該高度外国人材又は当該高度外国人材が本邦入国前に同居していた親族に雇用されている者であること
・高度外国人材が本邦から出国する場合,共に出国することが予定されていること
(2) (1) 以外の家事使用人を雇用する場合(家庭事情型)
・高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上あること
・帯同できる家事使用人は1名まで
・家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
・家庭の事情(申請の時点において、13歳未満の子又は病気等により日常の家事に従事することができない配偶者を有すること)が存在すること
(3) 投資運用業等に従事する金融人材が家事使用人を雇用する場合(金融人材型)
・金融人材の世帯年収が1,000万円以上あること
・帯同できる家事使用人は2名まで(ただし、2名の場合は、世帯年収が3,000万円以上の場合に限る。)
・家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
【高度専門職1号の在留期間更新】
高度専門職1号の在留期間更新で、ポイント合計が70点に満たないけれど、他の在留資格に変更が許可できる場合、本人がそれを希望すれば「申請内容変更申出書」の提出を案内されます。
【高度専門職2号への在留資格変更】
次の要件全てを満たす必要があります。
① 行おうとする活動が3つの活動類型(イ、ロ、ハ)のうち少なくとも1つの活動に該当すること。
② 「高度専門職1号」の在留資格で3年以上活動していたこと。
③ 学歴、年収等のポイントの合計が70点以上であること。
④ 素行が善良であること。
⑤ その者の在留が日本国の利益に合すると認められること。
⑥ その者が本邦において行おうとする活動が我が国の産業及び国民生活に与える影響等の観点から相当でないと認める場合でないこと。
【高度専門職1号の在留資格認定証明書交付申請して、在留資格該当性と上陸基準適合性は満たしたが、高度専門職1号に該当しなかった場合】
就労を目的とするその他の在留資格の上陸条件に適合している場合、申請人が希望すれば当該在留資格に係る在留資格認定証明書が交付されます。
想定される在留資格は次の通りです。
●高度専門職1号イ
(想定)教授、研究、特定活動(告示36号)
(可能性)教育、技人国、企業内転勤、宗教、技能、特定活動(告示37号)
●高度専門職1号ロ
(想定)法律・会計業務、医療、技人国、企業内転勤、特定活動(告示37号)
(可能性)教授、芸術、報道、経営・管理、研究、教育、介護、興行、特定活動(告示36号)
●高度専門職1号ハ
(想定)経営・管理、法律・会計業務
(可能性)技人国、興行、芸術、報道、医療、研究、特定活動(告示36号)、特定活動(告示37号)
【高度専門職1号への在留資格変更許可申請】
高度専門職1号への在留資格変更で高度専門職1号の在留資格には該当しないが、現在の在留資格の在留期間更新を許可できる場合、本人がそれを希望すれば「申請内容変更申出書」の提出を案内されます。
【その他留意点】
●学歴のポイント
「大学」には短期大学が含まれ、高等専門学校の卒業者、専修学校の専門課程卒業者(「高
度専門士」)は「大学と同等以上の教育を受けた者」として取り扱われるので、これらは
学歴ポイントの対象となります。ただし、専修学校の専門課程を修了して「専門士」の称
号を受けた方は対象となりません。
●現在「高度専門職」以外の在留資格で在留している方の「高度専門職1号」への変更審査
①在留資格該当性、基準適合性
②「高度専門職1号イ・ロ・ハ」のいずれかの在留資格該当性
③ポイント計算(70点に達するか)
④これまでの在留状況に問題がないか等、所定の要件の審査を経て、いずれも満たしていると認められれば、在留資格変更許可を受けることが可能です。
●在留資格「高度専門職1号」の方が1号の他の類型への変更や、契約機関の変更するときは、在留資格変更許可申請の対象になります。各類型はそれぞれ別の在留資格です。また、法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて行う活動として許可されているので、契約機関が変われば改めて審査が必要です。
「高度専門職2号」では、所属機関について法務大臣の指定の縛りはありません。
●高度外国人材として「特定活動」の在留資格で3年以上活動している人は、直接「高度専門職2号」への在留資格変更申請をすることができます。
●「高度専門職2号」は、在留期間が無期限となる点は永住者と同じですが、高度専門職としての活動を行っていることが求められる点で、何の活動制限もない「永住者」とは異なります。高度専門職としての活動を継続して6か月間以上行わないでいると在留資格取消事由となります。そして、所属機関(勤務先等)を法務大臣に届け出る義務もあります。